『卓上ヘボコン 対戦キット』

ゲムマで買った『卓上ヘボコン 対戦キット』が面白くてすごく好き!

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「これ絶対欲しい!」と思って買ったゲーム。

そもそもヘボコンとは

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ヘボコンとは、技術力の低い人のためのロボット相撲大会です。まともに動かない、できの悪いロボットばかりが集まり、おぼつかない足取りでなんとか戦います。私が知る限り世界で唯一の、ロボットを作る技術を持たない人が表彰されるロボットコンテストです。

技術力のなさや稚拙さ、様々な失敗によって作り上げたヘボいロボットたちを戦わせるコンテストです。
ヘボコンに出場するロボットは、意図通りに動かなかったりすぐに壊れたり動かなくなったりします。

「すべての失敗は美しい」「他人のヘボをたたえよ」「常にヘボを楽しむこと」など、ヘボさを愛することが大事。

『卓上ヘボコン 対戦キット』は、そんなヘボコンを再現したボードゲームです。

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ゲームの流れ

ゲームには大きく分けて 3 つのフェイズがあります。

  1. 部品集め
  2. 組み立て
  3. 対戦

最初に部品を集め、その後せーので組み立てをして、最後に出来上がったロボットを持ち寄って対戦します。

部品集め

部品集めはパッチワークに似ています。

部品は、最初対戦ボードの周りに大きな輪っかを作るように 1 列に並べます。
自分たちのロボット駒を指定の場所に置きます。スタートは全員同じ位置。

スタートプレイヤーから順番に、自分のロボット駒前方の 4 つの部品から 1 つを取ります。
自分のロボット駒は、取った部品が置いてあった場所に移動させます。

取った部品は、まだ配置しません。
自分のボードの上に無造作に置いておきましょう。

これを全員繰り返して 1 周したら、ラウンドカウント用のナットをナット置き場に置きます。
このナット、金属製の本物なのでずっしり重いです。

ボードゲームのコンポーネントにナットが入ってるの初めて見ました。

そして、2周目。
2周目で取れる部品も、その時の自分のロボット駒前方 4 つからです。

新しく手に入れた部品は、前の部品の上に重ねて置きます。
部品集めの最中に、この重ねて置いてある部品を 確認することはできません ……!

見えている部品は、一番上のものか、その隙間からちらっと見える部分だけ。
「さっきはあの形を取ったはず」「この動きはもう必要ないはず」とチラ見えする部品の一部と自分の記憶を頼りに新たな部品を獲得していくことになります。

これを繰り返して、ナット置き場のナットが 9 つになったら、部品集めは終了です。

組み立て

組み立ては、せーので一斉に始めます。

自分のボードからはみ出さないように、集めた部品を置いていきます。
全部の部品を置ききる必要はありませんし、通常は全部置ききれません。

また、ここで組み立てた部品が次の対戦で操縦できる内容に影響します。
右に曲がるか左に曲がるかどっちに進むか、などの動きは部品の裏表や置く時の向きで変わってくるので、部品をひっくり返したり回したり、他と組み合わせて置いたけど、今度はこっちがはみ出るし、これを諦めたいけどそしたら今度は直進ができないし、と、なかなか悩ましく楽しいです。
部品の形も一癖あるものが多く、どうやっても収まりがきかない。

最初に作り終わったと思った人が1分のタイマーをスタートさせ、他の人もタイマーが鳴ったら組み立て終了。
なので、あまりゆっくりも考えていられません。

結局、なんだかこいつまともに動くのかみたいな部品ばかり並んだり、最強の布陣(と自分が思っているだけ)になったりと、いい感じに「ヘボく」なる再現性が素晴らしい。

さて、組み立てた結果、埋まっているマスの数だけ芸術点が入ります。

ただし、全部のマスを埋めてしまった場合、 「ハイテクペナルティ」として逆にマイナス点 が発生します。
ちなみに、「ハイテクペナルティ」はヘボコン公式のルールから名付けられているようです。

対戦

いよいよ、ロボットたちを対戦させます。
自分のロボットをスタート位置に配置させて対戦スタート。

スタートプレイヤーから順に、自分のボードの部品に書かれたナット置き場にナットを置いて、その部品に書かれた通りの動作をロボットにさせます。
ナット置き場には、青と茶色の2種類あって、青のナット置き場を使う場合、1手番に2つナットを置くことができます。つまり、2回行動ができます。
茶色の場合は1つだけ。

ロボットの動きは、矢印の方向に直進・矢印の方向に曲がる・自分のボードを回す(次から矢印の向きが変わる)の3種類です。
動いた先に、別のロボットがいた場合、そのロボットは押されてしまいます。

動いた結果、外に出てしまったロボットはマイナス2点です。たとえ自分から外に飛び出したとしても、マイナス2点です。
また、一度外に出たロボットは脱落となって、以降の手番はありません。
逆に自分のロボットが他のロボットを押し出した時は2点もらえます。

また、ロボットが動かず、ポイントだけ入る部品もあります。
これは、その場で光ったり煙を上げたり壊れたりして盛り上がったことによる点数を表しています。

当然、置きたくない時でも、ナットを置ける場合は必ず置かなければいけません。
このナットを置いたらボードの外に出てしまうとしても、置いてボードから飛び出してマイナス2点しましょう。

基本的に選択肢は限られ、ロボットが対戦しているボードは狭く、ロボットたちの動きはままならないのですが、それでも盤面と自分のできることを見比べるとそのタイミングでの最善手が見えることがあります。
場合によっては、踏むとマイナスになるマスを踏んででも進んだ方が生き残る確率が上がるとか、ボードの回転をしてから進めば切り抜けられる! などのひらめきが訪れたりもして、ヘボいだけでなく、その辺りはなかなかゲームしてる感があって面白いです。

全員がナットを置き切るか、ボード上に残ったロボットが1体だけになったら、対戦終了です。

最後まで場外に出なかったロボットはボーナス点をもらえます。

勝敗

ここまでの点数が1番高い人の優勝です。

また、ヘボコンでの栄誉ある「最ヘボ賞」を決めて、みんなのヘボさを讃えあいましょう。

感想

ままならないんだけど、ままならない中で精一杯最善を尽くす感じが大好きです。
すごい再現度な気がする!

ロボットが動くたびに「こっちにきた!」「これ、どうやってもダメなやつ」と盛り上がり、動かなくても「えー、動かないとかあり」「煙出てるからね、仕方ないね」と笑う、そしてなんだか、ヘボなロボットやヘボな展開が楽しくなる、そんなゲームでした。

何かヘボい展開があったら「ナイスヘボ!」と声を掛け合って、ヘボさを楽しみましょう。

説明書が……!

説明書のプラモデル組み立て手順書っぽさが面白いけど、それ以上に落書き面白い。