ボドゲ沼に辿り着くまでの紆余曲折

この記事は沼 Advent Calendar 5 日目の記事です。

adventar.org

遅刻すみません。1 週間も寝込むことになると思ってなかった (言い訳)。

4 日目の記事は 私は沼にハマっていないということを主張しておきたい でした。
浅瀬から離れられない時点でハマっていると言っても良いのではないかと思うのですが、多趣味振りが伺える記事でした。沼にハマりやすい方が人生楽しいですよね。

さて、常々「ボドゲ遊びたい」と言ってボードゲームの話しかしてない自分です。今日は今年買ったボドゲを振り返ろうかな思っていたのですが、なんか熱が出てる間に自分が子供の頃のことを思い出したりしたので、ここに至るまでの過程を振り返ってみようかなと思います。

ファミコン

さて、いきなりボドゲから外れるのですが、ファミコンです。ファミリーコンピューター。任天堂が発売するや大ブームになった家庭用ゲーム機。発売は、自分が小学校に上がる前でした。

自分が小学校に上がる頃、自分の周りでは子供たちは二つに分類されていました。もちろん、ファミコンが家にある子とファミコンが家にない子です。 自分は後者で、ファミコンを持っている友達の家でマリオや迷宮組曲を遊ばせてもらってました。

アクションゲームも楽しかったけど、生来鈍臭い自分は操作が下手くそで、当然すぐに死んで交代になってしまう。当然、ゲーム所持者の方が操作は慣れてるから操作は上手い。自分はゲームを持っていないので操作に慣れる時間もなく、下手くそなまま。それでも、コントローラがまわってくるその一瞬がとても楽しかった。

そしてある日、友達の家で出会ったのがドラクエです。『ドラゴンクエスト』。最初の、ロトの勇者がローラ姫を助けて竜王を倒す、あれ。 当然、友達の家だし、みんなでだったし、隣からちょっと見てただけですよ。

話なんか全然わからない、今画面の中の主人公はなんのために戦ってどこに向かってるとかもわからない。「しらべる」と反応が返ることとか、歩いていると突然敵が現れて戦闘が始まること、戦闘でモンスターを倒すとお金が手に入ること、そういった要素の垣間見だけでだいぶん興奮しました。

洞窟に入ると真っ暗で、たいまつを使うと明るくなるということが見ているだけでも面白かった。

うわー、良いなあ、羨ましいなあ、みたいな気持ちだけが募っていたわけです。

パーティジョイ

ファミコン登場以前からですが、パーティジョイというボードゲームシリーズがありました。 自分の中で記憶があやふやで、出会いがいつかは思い出せません。ファミコンと前後してるかも。

7 つ上の兄が突然買ってきた『探偵物語』というボードゲームで遊んでくれました。自分のお小遣いでゲームを買って妹と一緒に遊んでくれる兄。 推理小説好きだった兄自身が遊びたかったからわたしを便利にプレイヤーにした可能性も大いにありますが、妹を思う心に偽りはなかっただろうとは思います。ええ、心から思いますとも。

とはいえ 7 歳の断絶は大きくて、理解力や判断力、果てはカードの引き運、サイコロ運に至るまで、何一つ兄に叶わず、あまりに悔しくて大泣きした覚えがあります。

あとは、当時流行っていたキャラクターの『うちのタマ知りませんか?』のゲームと、歌のトップテンのボードゲームも持ってたな。 トップテンの方はパーティジョイシリーズだったかどうか思い出せない。

トップテンの方は、結構凝ったゲームだったような記憶があります。当時人気のアイドルやバンドグループっぽい名前が出て来て、トップテンのあのパネルみたいに、実際にトップテンを順番に開いていくところは覚えてる。

友達が家に来た時に一緒に遊ぶこともありましたが、ファミコンみたいに一人では遊べず、「もっと遊びたい」という欲求はなかなか満たされませんでした。 あまりに遊びたくて、一人で複数コマを操って一人でボードゲーム遊んだりもしてました。この頃から。そんな虚しい一人遊びでは、欲求は満たされないのです。

ファミコン冒険ゲームブック

小学校に上がった頃だったか、祖母に「本を読むとバカになる」と言われたことがありました。 本を読んでるとだいぶ集中していたらしく、何を話しかけても生返事か返事をしない、読み終わるまでじっと反応がない、動かない、働かない、何もしない、という状況になる自分のことをそう表現されたわけです。

ファミコンがだいぶ浸透した頃になってもまだファミコンを買ってもらえず、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズとかを読み耽っていた小学校中学年くらいの自分。

ちなみに、忘れもしない小学校 4 年生の時、明智小五郎が登場する江戸川乱歩の本ということで、うっかり『黒蜥蜴』を読んでしまい、うっかり別の何かに足を踏み入れてしまうのですが、それはまた別の話。

ある日、本屋で『ドラゴンクエスト』と書かれた本を見かけます。近くには『ゼルダの伝説』だったかどうだか定かではないですが、そんな感じのファミコン関連で見たことがあるようなタイトルの本も並んでる。 それが『ファミコン冒険ゲームブック』との出会いでした。

これがあればファミコンがなくてもゲームが遊べる! しかも本の形! テレビがなくてもゲーム機がなくてもゲームができる! 家で一人でも遊べる!

お小遣いを溜めてドラクエのゲームブックを買い、なんども遊ぶためにノートに定規でキャラクターシートを買いて、しばらくゲームブックにどハマりしていたのでした。 本を開いて、ノートに定規で何か書き、数字やら文字やらを一心不乱に書き込んでる姿は、側から見たらどう見えてたんでしょうね。

その後もお小遣いを溜めては、ゲームブックを買っていました。

あまりにゲームブックが楽しくて、ちょうど読んだばかりだった『宝島』の話をベースに自分でゲームブックもどきを作ったりしました。全パラグラフが 30 もない、ほんと真似事みたいなものだったと思うんですけど。それでもクラスメイトの男子に遊んでもらったら好評で調子乗ったりしました。

学校にはトランプ以外の娯楽品が持ち込めなかったし、目新しくて珍しがられて、しかも今その場で遊べるというのが面白がられたんだろうなと、小学校の休み時間は娯楽に飢えてたんだろうなと、今なら思います。 当時文房具のゲームがあったような気がするんだけど (下敷きとかノートの一部がすごろくみたいになってて、鉛筆を転がして遊ぶようなやつ)、そこまでしても学校でゲームを遊びたかったんですね、きっと。

マイコン Basic

兄が中学入学の時にパソコンを買ってもらっていました。当時はマイコンと呼ばれていたかな。 Basic というもので動いていて、プログラムを打ち込むとゲームができる。当時の自分はそこだけ覚えてました。

打ち込んだプログラムを保存するためには、カセットテープレコーダーを繋げてカセットテープに録音する、録音したプログラムは再生して読み込むという、そんなものでした。

自分も遊ばせてもらうことはあったけど、基本は兄のものなので自由に触っていませんでした。

そこから何年かを経て、小学校中学年から高学年くらいだったでしょうか、すっかり時代遅れになったそのマイコンをわたしは使っても良いよと言われて狂喜乱舞しました。

兄が昔買った Basic の入門書を手に、行番号を入力し、大量の GOTO 文を書き、これも兄が買っていた古い Basic マガジンの長いプログラムを見ながら間違いのないようにひたすら入力する。 しかも当時はデバッグのやり方などわからず、何か動かないことが出てくると、本の記述と自分の記述に間違いがないか見比べて間違っているところを探すという、今から思えばなんとも気が狂いそうなことをやってました。 そうやって、ようやく動いたゲームは、当時のファミコンからしてもだいぶ素朴なもの。

プログラム入力に何時間もかけて、うまく動いたら遊ぶ前にはカセットテープに録音です。うっかりプログラムを書き換えてしまう前に、急いで保存しないといけませんから。 録音には、実際に何分もかかるので、その間じっと画面を見つめて待ってました。

いつかゲームを遊ぶという目的はどこかに行ってしまい、プログラムを入力しては保存する、という行為に没頭していました。

その後、高校に入学してバイトするようになった兄がファミコンを買ってきて案の定どハマりしたり、中学になると今度はスーパーファミコンが登場したり、角川スニーカー文庫に出会ったり電撃文庫の創刊に出会ったりするのですが、長くなるので割愛。

TRPG と Magic: the Gathering

そっからなんやかやと色々あったんですが、高校時代の部活がオタクの集まりでした。 今思えば、男女ともにバランス良くオタクが集まってたなあと思います。

TRPG を一番遊んでいたのはその頃です。

よく遊んでいたのは『ソード・ワールド』。 『クトゥルフの呼び声』は遊ぶタイミングがないままゲームマスターが卒業してしまったので遊べずじまい。 あとは『真・女神転生II TRPG』は、当時メガテンにハマっていたのもあったし、現代伝奇異能アクション的世界観がすごく好きだったので好きでした。

TRPG 雑誌なんかも買って、部室でみんなで読んだりしてました。 どの雑誌だったかな、ボードゲームのコーナーがあって、そこで『スコットランド・ヤード』とか『ミッドナイトパーティー』とかの名前は知ってました。でも当時はボードゲーム欲しいって思ってもいなかった気がします。 TRPG のルールブックは本屋にも売ってるけど、そこで紹介されているようなボードゲームはバスで隣の市まで行かないと店がなかったんですよ。 自分の普段の行動範囲で変えるボードゲームといえば、その頃は人生ゲームとドンジャラくらいだったかと思います。

あとは TRPG 以外のことも色々やっていたので TRPG だけやってた訳でもないです。テレビゲーム以外にアーケードゲームを知ったりもしたし。 下手くそなくせに格ゲーも好きでしたよ。下手くそだったけど。全然上達の見込みなかったけど。

そんな中に、突然『Magic: the Gathering』が現れたんですね。これ、もうびっくりなんですけど、 TRPG 雑誌も急に MtG の特集を始めるし、巻末の漫画も突然 MtG を題材にしたものに変わったりとかしてたし。なんか急にブームになってたという印象でした。

自分の周りでも MtG を始める人が多かったです。 ただ、自分はゲームの情報を見て「これ、自分が始めたら際限なくハマるやつだ」と思って手を出さないことに決めました。 そんなん有り金つぎ込んで買いたくなるに決まってる。

周りが MtG をはじめたことで、なんとなく TRPG 熱も冷めた感じになってしまいました。 MtG のせいだけではなく、当時の自分たちが TRPG を上手に遊べてなかったのも一つの要因だったと思います。ルールの制約の中で話を作り上げるということもうまくできていなかったし、みんなで楽しく遊ぶことも下手くそでした。ずっと同じメンバーで遊ぶことで内輪ノリも蔓延してました。 MtG が出てきたのは、ちょうどそんなタイミングでした。

そんな感じで高校卒業して上京し、なんかいろんなものと出会ったりなんだりするんですが、その辺りも色々あるんでざっくり割愛。 『私立ジャスティス学園』にどハマりしたり『DDR (ダンスダンスレボリューション)』にどハマりしたり、アキバでゲーム買って徹夜で遊んだり、それはもう色々ありましたよ。なにこれ東京って最高。

コンシューマゲームだと『東京魔人學園剣風帖』とか『ジルオール』とか好きでした。

学生時代の後も色々あって『Ultima Online (UO)』に出会ってハマったりとか、結婚したり子供産んだりとかもしてたんですが、割愛。

そろそろ面倒になってきたんで。

そして今ボドゲ

さて、ボドゲですよ。 ようやくボードゲームの話です。

色々あってボードゲームまでやってきてしまいました。

子供産んで仕事を始めて、同じ会社のエンジニアの方に「ボードゲームで遊ぶ集まりがあるんだけど良かったらどう」と誘われて付いていった先ですっかりどぼんと落ちてしまいました。

たまたま残っていた当時の記録によると、『それは俺の魚だ!』『ニムト』『モダンアート』『クレオパトラと建築士たち』『人狼』なんかを遊んだようです。

バラエティ豊かでどれも面白い! 『それは俺の魚だ!』は、駒の動きで自分の陣地を切り取っていくゲームだし、『ニムト』はカードだけで綱渡りするようなタイミングを見計らうゲーム。『モダンアート』の競りも面白かったし、『クレオパトラと建築士たち』ではでかい箱から出てくるスフィンクス!玉座!あとはなんかでかい柱がどーん!という感じで、見た目のインパクトでこんなにもゲームが心踊るのか、と。いや、だってスフィンクス建てたいもん。点数が欲しいのもあるけど、どうせならスフィンクス建てたいじゃないですか!

こんなに楽しい!と興奮しきりでした。ここまでの人生を振り返っても、やっぱり出会うべくして出会ったんだと思ってます。 いや、子供の頃にパーティジョイで出会ってはいるはずなんですが、中学や高校時代も何かしらで出会ってはいるはずなんですが。

なんだかずっと沼の周りをぐるぐるしてたような気がします。そこに何かあるとも気付かずにぐるぐるしてたけど、ふとあるきっかけで踏み出したら、あ、なんだここだったんだって気付いたような、そんな感じです。

テレビゲームも、ゲームブックも、TRPG も、それぞれに面白くてそれぞれに好きだし遊ぶけど、それぞれの境界は意外と曖昧だったりもするけど、大人になってから出会ったボードゲームが一番すとんと自分の中に収まった感じです。 ここまでの紆余曲折があったからわかったのかなとも思います。

何回かそのボードゲーム会に参加させてもらって、それだけでは飽き足らず自分でも買うようになって。 参加メンバーの方がボドゲを手放すとのことで、『あやつり人形』や『メディチ対ストロッツィ』なんかを安く譲ってもらったりもしました。 『パンデミック』が発売された時、日本語版が出る前に共同購入を呼びかける方がいてそれに乗っかって買ったりとかも。

その後も、子供と遊ぶために『カヤナック』買ったり、あれだけ手を出さなかった TCG 系だったのに子供が『ヴァンガード』にハマってうっかり自分も踏み入ってしまったり、子供をヴァンガードのイベントに連れて行ったらたまたま隣でゲムマやってて見に行ったり、子供と遊ぶためにアンドールの伝説買ったり、アンドールの伝説を気に入った子供たちがオリジナルのシナリオを書いたりなんかしてました。

今現在、中学生と高校生になった子供たちは、ゲムマに一緒に遊びに行ってくれたり、一緒にボドゲ遊んでくれたり、してくれます。 「ある程度の年齢になって複雑なゲームでも遊べるようになったからプレイ人数が確保できる!」とか思ったりとかしてなくはないですが、子供と遊べて幸せな気持ちに偽りはないですよ。ええ、本当に。

あとは会社でボドゲ部始めたりとかもありました。そっちの話は会社の方で。

あー疲れた。こんなに色々語ったのは熱のせいだ。

今年買ったボドゲをちょっとだけ

写真も何にもない寂しい記事だと気付いたので、今年買ったボドゲをちょっとだけ紹介します。

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アズール 日本語版

アズール 日本語版

『アズール』は、綺麗なタイルを並べるゲーム。コンポーネントの綺麗さが好きで買いました。コンポーネント大事。

『サグラダ』も欲しい。

サグラダ 日本語版

サグラダ 日本語版

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BLUE ORANGE GAMES Photosynthesis Strategy Board Game

BLUE ORANGE GAMES Photosynthesis Strategy Board Game

日本語だと『光合成』です。

タネを植えて木を育てて最後に枯らすと得点になるという、森を育てるゲーム。陣取りアブストラクトゲームです。 日当たりの良いところに陣取るのが有利なんですが、お日様がどんどん移動していくので、有利な場所がどんどん変わっていく。

これも盤面の綺麗さに惚れて買ったゲーム。

ボドゲカフェのコロコロ堂さんが根津から湯島に移転するときのクラウドファウンディングのリターンで購入しました。

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我流功夫極めロード

我流功夫極めロード

我流功夫極めロード?黎明の章?

我流功夫極めロード?黎明の章?

『我流功夫極めロード』は、漢字が書かれたカードを組み合わせて必殺技を編み出すゲーム。 いわゆる大喜利系ですね。

漫画大好きな人が集まって遊ぶと非常に楽しい。

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Everdell : Collector 's Edition

Everdell : Collector 's Edition

『Everdell』はワーカープレイスメントで施設を作って動物を住まわせて自分の街を大きくするゲーム。

これは Twitter のタイムラインで見かけて「これきっと自分が好きなやつー!」って欲しい欲しい言ってたら、知り合いの方が共同購入者を探している知り合いがいると教えてくれて手に入れたゲームです。

箱が可愛い。カードも可愛い。ボードも可愛い。コマも可愛い。ボード組み立てると木がどーんてなるの何これ可愛いがすぎる。

kano-e.hatenablog.com

ゲームもとても楽しいですよ。

自分の街を作るとかって、ゲーム終了後に自分のところに完成したものがあるから満足感高いですよね。

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『ミレニアムブレード』TCG プレイヤーになって、ショップでカードパックを購入し、時にはカードを売買し、交換し、デッキを組み上げてトーナメントを勝ち抜くゲーム。 トーナメントに勝つとプレミアカードももらえるよ。

前に一度遊んでずっと欲しかったけど日本語化作業を考えて手を出してなかったんです。

会社で MtG プレイヤーが増えてカードゲーム熱にあてられて買いました。 あと、子供たちが日本語化作業手伝ってくれるって言うから、だったらなんとかなるかなって。

ハーフパイント・ヒーローズ(Half-Pint Heroes)日本語版/Corax Games・テンデイスゲームズ

ハーフパイント・ヒーローズ(Half-Pint Heroes)日本語版/Corax Games・テンデイスゲームズ

『ハーフパイント・ヒーローズ』は、テキサスホールデムでトリックテイキングするゲーム。知らない人にはなんのこっちゃですね。

会社でポーカー部が始まって、テキサスホールデム熱にあてられて買いました。


さて、沼 Advent Calendar 6 日目の記事は アドベンチャーゲームはいいぞ(核心ネタバレなし) です。

『夕闇通り探検隊』の名前を見つけてテンション上がりました。 『ICO』も良いですよね……!好き……!